東銀座と私/のだくみこ(後篇)

東銀座と私/のだくみこ(後篇)

2023.08.31
東銀座と私
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今と昔を結ぶまち、東銀座。まちや風景は変わってもそこで過ごした時間やかけがえのない経験はいつまでも心に残り続ける―
東銀座にゆかりのある方々に東銀座や銀座、築地などを含め、このエリアで過ごした想い出やこれから期待することなどを文や絵など形態にとらわれず、前篇・後篇として2回にわたり自由に綴っていただくエッセー企画「東銀座と私」。
その第3弾となる今回は、東銀座・築地のまちに惚れ込み、地域のお店のサポートや観光客に向けてオリジナルのツアーを行うなど、まちの魅力を発信しているTsukiji遊花楽(ゆうから)・のだくみこさんにご寄稿いただきました。後篇の今回は、今年3月に発売されたご自身の書籍『築地スタイル』についてもお話いただいております。

東銀座と築地を結ぶ采女橋
新橋演舞場側から渡ってまっすぐ歩くと築地の波除神社があります

時は遡り2011年3月11日。当時私は、赤坂見附のオフィスタワーで働いていました。下からドスンと突き刺さるような衝撃と、立っていられないほどの大きな横揺れ。26Fから非常階段で社員全員が外に避難。その後すぐに自宅待機が言い渡されたので、同僚と一緒に銀座まで歩いて帰りました。

夕方東銀座に着くと、私の大好きなお店「元祖コロッケ・チョウシ屋」が開いていました。平日は仕事で滅多に来られないので、嬉しくなって立ち寄ると、「この辺のお店も揺れたけど被害はなかったですよ」と聞いて一安心、コロッケサンドを買って帰宅しました。ですが、自分のマンションの部屋を開けた瞬間、転落したレンジ、転倒したテレビを見て茫然…そこで初めて事の重大さに気づき、チョウシ屋の袋を握りしめながら立ち尽くしました。涙のコロッケサンドの思い出です。

懐かしのチョウシ屋さんのコロッケサンドは、今でも大好物です

この大震災を機に引っ越すことを決め、巡り合ったのが築地の物件でした。
なぜか昔からいたような懐かしい感覚があり、食べるのが大好きな自分にとっては、これは「食の神様のお導きだ」と思いました。2012年5月、こうして私は「築地のオンナ」になりました。はじめはただの住人でしたが、築地のまちや人との出会いで人生が変わり、2018年から「築地・和ごころコンシェルジュ」として活動しています。

東銀座と築地は、地下鉄日比谷線で一駅(東銀座駅-築地駅間 約2分)、歩いても10分。
けれども、まちの印象が違うのが面白いところです。
東銀座は、銀座の裏庭的な、主張しすぎない品格と華やかさのある小粋なまち。
築地は、「東京の台所」に象徴される、江戸っ子の粋と人情味あふれる元気なまち。
どちらも共通するのは、坂道がなく平坦な土地で、まち歩きが楽しいという点です。

歴史散歩なら、築地本願寺からスタート!今から約365年前の江戸時代、本願寺を再建するために海を埋め立て築かれたのが「築地」。荒海に浮かぶ光輝く神様をお祀りしたところ、波風が鎮まり工事が完了したといいます。こうしてできた波除神社は「災難を除き、波を乗り切る」築地の氏神様、パワースポットしても有名です。

インド建築が特徴的な外観の築地本願寺
夜はライトアップでまた表情が変わります

築地といえば「市場」。
「今も築地に市場があるの?」とよく聞かれますが、答えは「Yes」!

2018年に「築地場内市場」(東京中央卸売市場)は豊洲に移転しましたが、「築地場外市場」は移転せず、今も400店舗以上が元気に営業中です。移転前の「場内市場」は、東京ドーム5個分の広さ、1日5万人が行き来する世界一の市場でした。名だたる料理人に愛された「日本の台所」の軌跡が記されたドキュメンタリー映画『TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)』は私のバイブル、世界中の人に見ていただきたい名作です!!

そんな場内市場があった10年前、出勤前に隅田川でランニングをして、築地で朝ごはんを食べるのが楽しみでした。勢いのよいターレーに吹っ飛ばされそうになりながら、早朝から活気あるふれる市場のエネルギーに触れると「今日もがんばろう!」と思えるのでした。雨の日も風の日も雪の日も、市場は休まず動いている。そんな誰かのお仕事のおかげで、私はおいしいごはんが食べられている、そう思うと感極まって、涙があふれることもありました。

コロナ禍では、場外市場に通い詰めて、プライドを持って働いている「メキキ」の方々の生き様を知りました。社長さん達の話を聞くたびに、逆境でも明るく生き抜く力や、商いの極意、「築地魂」を体感し、生きる勇気をいただきました。日に日に築地への愛と感謝の気持ちがあふれてきて、私の初の著書『築地スタイル』が誕生したのです。

『築地スタイル』(2023)
『築地スタイル』出版記念特設サイト

出版の記念に、着物つながりで知り合ったアーティスト「きものやん」さんに築地のテーマソングも作っていただきました!書籍で紹介させていただいた方々が曲に合わせて登場します。是非、こちらのムービーをご覧ください。

「築地にてお天道様のおなり」(築地スタイルver.) by きものやん きものやん プロフィール

『築地スタイル』では、築地で輝く20名の方のStoryを取材させていただきましたが、もちろん掲載しきれないほど、大好きなお店や場所が沢山あります。朝のイメージが強い築地ですが、実は昼も夜も上質なごはんを食べることができて感動します。例えば・・・

「ライブコーヒー 築地店」
「長生庵」
「かつ平」
「鳥焼 辰の字」
「つきじ天辰 本店」
「Cantina Vini e Tutti(カンティーナ ヴィニ エ トゥッティ)」
「生ハムとワインのお店 ピグレット」
「築地 いま津」

どこも、個性があって愛情や人情を感じる場所です。築地といえば、海鮮丼!のイメージを覆しながら、幅広くよいものを伝えるのが築地コンシェルジュの腕の見せ所だと思っています。

現在私は、日本の食文化を支えてきた「築地」への感謝と敬意をこめて、日本の「ホンモノ」に出会えるツアーやイベントを開催しています。「おいしい」は、全世界共通の笑顔の源、築地は世界中の人を幸せにできるLUCKY PLACE(ツキ・ヂ)!築地ツアーに参加された方は、皆さん笑顔になって、元気を取り戻していかれるので、築地のパワーは素晴らしい!

東銀座~築地には、先人から受け継いできた歴史・文化・まちの魅力があります。
食を通じて命が循環するまち、築地。ぜひお散歩しながらまちを感じてみてください。
自称、日本一築地を愛する女が、喜んでご案内させていただきます!

オリジナル築地ツアーの目印は、「I ♡築地」手ぬぐい
『築地スタイル』の姉妹本『銀座スタイル』著者 中谷彰宏様と中谷塾の皆さまと
東銀座、築地でお待ちしております♪

のだ くみこ
埼玉県出身、築地在住。自称「日本一築地を愛する女」。東京の中心地でありながら、粋と人情が残る築地はパワースポット、として2018年より活動開始。オリジナルの築地ツアーの開催は通算100回を超え、全国に築地ファンの輪を広げ続けている。
OL時代に、米国公認会計士の資格を取得。国内最大手の会計事務所を経て、外資系企業数社にて財務会計のプロとして従事。一方で、算命学鑑定士、カウンセラーとしての顔を持つ。「築地・和ごころコンシェルジュ」として、日本語・英語を駆使し、築地を起点に和文化体験イベントの企画運営、日本の文化を国内外に伝えることをミッションとしてか掲げている。現在は、豊富なキャリア経験と人生の学びを活かして、カウンセリングや経営アドバイザリー業務を行い「幸せな社会づくり」を目指している。

のだくみこ プロフィール

『築地スタイル 人生をきらめかせる愛と粋の流儀』
著者:のだくみこ
出版社:かざひの文庫
発売日:2023年03月21日
価格:1,500円+税

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